歌を伝える仕事。インストラクターとしてのボイストレーニングを知ろう!
「伝える」ということは、「歌う」ことを楽しむという視点とはまた別の、声のメカニズムを知る楽しさを持つことが、良いインストラクターとなる上でとても大事な部分となります。
一概に正しい発声、よい声とは判別しづらいものです。
本来出したいと思うイメージしている感情がそのまま声として表現できる声、発声を目指すことは重要です。
ポップスでは特にいろんなジャンル、声のバリエーションを駆使して歌う曲がありますので、特に表現につながる声作りが大事になります。
これからボーカルインストラクターを目指す皆さんの中でも、ポップスに慣れ親しんだことが無いので、教えることができるかなぁ~と不安をお持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。
何も難しいことはありません。
上記にもあるように、声のメカニズムを知ること、たくさんの曲やアーティストの声をヒアリングして、声の特徴やくせをうまく捉えていくことが重要です。
あくまでも伝える側なので、歌えるに越したことはないですが、歌えなくても声のメカニズムをより深く理解し、わかりやすく噛み砕いて生徒さんに伝えることができればどんな方でもボーカルインストラクターとしてやっていくことができると思います。
レッスンで心がけることは?
レッスン総合表で記載している4つの技術的テーマ
と生徒さんの気持ち、感情のバランスを大切に。
呼吸法については、腹式呼吸ができなければ歌う準備になってしませんので、できるまで根気強く、飽きない反復練習をおこなっていくことが大切ですが、腹式ができてくると、まず、声量が上がってきます。
ここであるポイントは腹式呼吸を使って声を出す、(歌う)ことと連動してリズムがとれているか?
ということを確認していくことです。
リズムについても反復練習が必要ですが、ダンサーになるわけではないのでリズムのみを反復する、ではなく声や息を使いながらレクチャーしていけると良いでしょう。
また、1回の授業や発声の中で、テーマは1ポイントでも、最終的にはブレス・リズム・ピッチ、響きの連動性へとつながっていくことを忘れないで指導していくことが大切です。
これを忘れると、一つ一つは上手にできても、歌いたい曲の中ではできないという生徒さんがうまれてしまいます。
声質・・・
(響きとピッチ)については一番気を使って、ヒアリングとコメントを!
ここで例えば、対象となる生徒さんの声は、地声にとっても魅力や個性があるとしたときに響きを(リラックスボイス)をレクチャーしていく過程で、生徒さんの個性を活かすテーマを忘れずにレクチャーしていかなければ、歌の中で使えない発声と指導を行うことになります。
指導中の生徒さんの声に対するヒアリングは先生側の理想ではなく生徒さんの持っている声質の延長線上になっているか?
を聞き分けられる事が、ポイント。
生徒さん側から、明確に目指す声のイメージの打診があるならば良いのですが、なかなか自分の声の進化したイメージを最初から持っている生徒さんはいません。
したがって、生徒さんとよくディスカッションしていく事が大切ではないでしょうか?
生徒さんが自身を持って、自分の持って生まれた声で歌えることをテーマに!
生徒さんの好きなアーティストはあっ・・・この人だな・・・と歌っている時に気づくことがあります。
良くも悪くも、人間の耳は学習していくのでその中で、音の出し方をイメージしている証拠です。
しかし、どんなに似せようとしても声質は本来、骨格や声帯の使い方・体つきなど、それぞれの要素の集合から生まれるものなので、声質を似せることには限界があります。
生徒さんによっては、あのアーティストのような声で歌いたい・・・という憧れからレッスンに通いだす方が、とってもおおいと思います。
ここでトレーナーさんは、そのイメージを理解したうえで、授業の中で声質を近づけるのではなく、その生徒さんが本来持っている、自分の声の声質の素晴らしさを伝達していく事、生徒さんがそのことを理解していけることが大切です。
そして憧れのアーティストさんの良い歌唱テクニックやポイントをミックスしていく事でこの問題への解決と活路を見出せれば、と思います。