USボーカル教室大分明野教室の團塚です。
まずは、御挨拶代わりにわたしにとっての想い出深い一曲を紹介します。
それは、奄美大島民謡の”朝花節”です。
座を清めるという謂れのあるこの唄は、
歌会のはじめに必ずと言って良いほどに歌われる奄美の代表的な島唄です。
歌詞の意味は、
まだ出逢ってない人も出逢えてこそはじめて知りあうことが出来ます。
神様のお引き合わせによって。という意味だそうです。
現在のように、まだ舟での航海が万全ではない時代には、
島を離れる際は今生のお別れかもしれないという思いで
お見送りしていたと言われる、 奄美ならではの
出逢いを大切にする奥深い文言に胸が熱くなります。
機会ありましたら一度お聴きになって下さい。
いろんな朝花節に出逢えると思います。
改めて、はじめまして!
この春より大分明野教室にて
インストラクターをさせて頂きます團塚と申します。
かねてよりフィールドワークが好きでして、
その場所の風土や歴史、植物等に感心があります。
いままでに色んな所を旅してきましたが、
上にも紹介した奄美諸島にも数ヶ月ほど逗留していた時期があります。
ひとたび感心が向くと、とことん追求したくなる性質上
奄美の場合も同様に、とりわけその歌文化に深く惹かれてしまい、
当時は来る日も来る日も島の唄者の唄やお話を聴かせていただきながら、
島唄とその歴史背景について学ばせて頂いておりました。
ある時、坪山豊さんという船大工をしながら島唄を唄ってらっしゃる
(奄美島唄の第一人者の方で、歌手の中孝介さんの島唄の師匠の方)の
お宅に伺った際に、三味線の手解きをお願いしたところ、
わたしは教えたりしないよ。一緒に唄うならいいよ。
人様のお顔がそれぞれに違うように、
唄はみんな当たり前に違うんだから。
と仰ったのが印象に残っております。
丸腰で何の用意もないわたしがアタフタしていると、微笑みながら、
また来週来なさい。
その時に一緒に歌おうよって(笑)快く言って下さいました?
その日より一週間、昼は坪山さんの朝花節の三味線と島唄を必死になって
完コピしつつ、夜は近所の民謡酒場の常連さん達に、
方言の発音の仕方や意味を煙たがられるほどにしつこく質問しながら?
やっとの思いで迎えた当日、坪山さんはこう仰るのです。
『この一週間で朝花おぼえたんね。 はんげぇ~たまげたね~。
でもひとりでおぼえたんね?
そうねそうね、 いろんなひとに逢ったんやね
いいことに気がついたねそれこそが”島唄”なんだよ』って。
その温かいお眼差しがいま再び胸に甦ります。
島唄という呼称はアイランドのシマではなくて、本来は集落のシマ。
もっと細かくは人それぞれのシマ。
ひとりひとり違ってるから、そこがまたいいのだと
その時に併せて話して下さいました。
憚りながら、今後ボーカルインストラクターとして、
生徒さん各々の個性に寄り添い、
歌う歓びや楽しさを分かち合っていけたなら
そんな幸せな事はないな~等とひとりごちながら思いを巡らせていた時に
思い出した唄とそれにまつわるエピソードなので、
はじめにここに記させて頂きました。
拝まん人む拝でぃ知りゅり?
わたしも皆さんとの一期一会を大切に、大分明野教室にてお目にかかれる日を心待ちにしております。
これからどうぞ宜しくお願い致します。